「世のため後のため、今の私に何ができるのか？」

この言葉に出会ったときに、自分の中にズドンと大きな杭を打たれたような感覚がありました。それ以来、私の中に常にあり、何をするにしても、何を学ぶにしても、私はこの言葉を自分に問い続けてきました。
大きな力があるわけでも、特別な能力があるわけでもない、ちっぽけな私。それでも、今の私の能力や特性を生かしながら、世のため後のために何か一つでもできることがあるとしたら・・・と思いながら日々を重ねてきました。この言葉が、ブレブレだった私をしっかりと固定してくれ、私を支えてくれ、行動の指針となり、動かしてきたと言っても過言ではありません。

そんな中で、仙台での映画上映の話をいただき、今回主催させていただく流れとなりました。プロデューサーの吉野氏に直接お会いすることができて、お話しさせていただいているときに、髪の毛も逆立つほど鳥肌が立ちっぱなしで、涙が出て、塙保己一が吉野氏と出逢わせてくれたことを確信しましたし、すぐそばにいて、道を切り開いてくれているような感覚がありました。

「世のため後のため、今の私に何ができるのか？」これを問い続けながら生きていると、天命と出逢います。「ああ、私はこのために生まれてきて、この役割を担っているのだ」と気が付きます。できない言い訳ではなく、「どうやったらできるか？」を考えていけるようになります。自己否定や恐れ、不安からも解放され、誰と比べることもなく、今の自分を最大限に発揮しながら生きていけるようになります。

この映画を通して、塙保己一が後世に遺したものや、どんな思いでそれをやり遂げたのかという、精神性について知ってほしいですし、一人でも多くの方が、自分がこの地球に何をしに来たのか、どんなミッションがあるのか、自分の人生を見直すきっかけになったら幸いです。そして「志を持って生きる」ということが、人間にしかできない喜びそのものであることも味わっていただきたいです。AIの時代だからこそ、今、人として、どんな志を持ってこの世界を創造していくか、今の私たちは問われていると思うのです。

仙台・塙保己一映画上映会実行委員　浅野めぐみ